ハマフエフキの集団産卵に関する調査報告

はいさい!ショータです!

昨日はシマハギの集団産卵についてブログを更新しましたが、
今日は僕が沖縄で狙っている集団産卵の中から、もう一つご報告です!
春先になるとときどき僕が極秘ミッション!とかいってこっそりストーリーにあげていたんですが、
見たことある人いますかね?

実はあれ、タマンの集団産卵を狙っていたのです。
最初に情報を整理すると、タマンとは沖縄の方言で標準和名でハマフエフキのことです。
日本各地、八丈島でも普通に見られるのでいまいち注目度が低い種ですね。
そんなタマンが春に何万匹と集まるポイントがあります。
糸満沖にある「浮ノ曽根」と呼ばれる釣り場です。
ダイバーからは”トライアングル”と呼ばれているのでご存知の方もいらっしゃることでしょう。

春のタマン祭りと一部の界隈では賑わっているやつですね。

トライアングルが沖縄本島イチのワイドポイントだっていうことは
移住してきた当初から知ってはいたのですが、
タマンが見られる水深はとても深いと聞くし、
ただ群れを見に行くだけって全然興味を持たずにいました。
ただ、あんなに集まっているってことは産卵のためである可能性が高いはず。
それはぜひとも見たいものです。
とはいえ、そんなことに興味を持ってくれる船長なんていないだろうし、
要は諦めていたというのが正直な気持ちです。

そんな折、いつもお世話になっているかりゆしの船長さんに試しに相談してみたら、

まさかの「行ってみよう!」ということになりまして、

そもそもトライアングルってどうやって潜るんだ?という状態から調査が始まったのが4年前でした。

いつも潜っているポイントで魚の繁殖行動を調査するのとは違って、
まずはポイントの全容を明かすことから始めるのはめちゃくちゃ大変でした。

流れているので少しでも潜行に戸惑たり、潮を読み間違えると同じ場所に着地できない。

着地したところがそもそも同じ場所なのか分かんないという状態からスタートしている上に
深いのでせいぜい15分くらいしかポイントを調査する時間がないんです。

これ、本当に見られるようになるのか?と正直始めは疑心暗鬼でした。

そんな状態からスタートしたタマンの産卵調査ダイブでしたが
実は初年度からいきなりニアミスしちゃってたんです。
明らかにこれから産卵しますという状態の群れを見つけてまして
そのせいで絶対集団産卵を見たい!という思いが強まってしまったんですね。

1年目はスタートしたのがほぼシーズン終わりだったので、
結局その一度のニアミスだけで産卵の確認をすることはできませんでした。

2年目は1年目に遭遇した1度きりのニアミスを頼りに立てた予想が間違っていた可能性があり
まったく収穫がありませんでした。タマンが集団を形成する時期は短く、手掛かりを何にもつかめないうちにシーズンが終わってしまう悲しさったら…

移住以来、生態観察は我ながら順調に進んでいたので初めての挫折でした。
悔しかったなー。

そして3年目となる昨年、ついにハマフエフキの産卵を確認できたんです!
あまり苦労話ばかり長くしても仕方がないのでさらっと報告しますが
最終的にまだ2回しか撮影できてないので
今年は精度を上げてばっちり撮影をしたいところです。
一緒に産卵調査をして喜びを分かち合いたいという方いらっしゃいましたら、大興奮の海へ一緒に行きましょう!!

潜り込んだおかげでトライアングルはガイドでもお連れできるようになったので
産卵ダイブじゃない通常のリクエストも可能です。